4月8日、アップルが「iPhone OS 4.0」のプレビュー・イベントを開催。マルチタスク・フォルダ・iBooksへの対応などが発表されました。 [source: GIZMODO]
イベントは日本時間の9日午前2時よりクパティーノのアップル本社で開催され、iPhone・iPod touch・IPadに採用されているiPhone OSの次期メジャーアップデートの内容が明らかになりました。
約1年振りとなるメジャーアップデートとはいえ、ユーザー・開発者の双方にとって盛りだくさんの内容になっています。
iPhone OS 4.0の概要は次のとおり。
- マルチタスクに対応
- 100を超える新機能
- アプリを整理できるフォルダを導入
- メールアカウントをまとめる「Unified Inbox」
- iBooksの対応
- エンタープライズ向け機能の強化
- ランキングや対戦などサポートする「GameCenter」
- アプリ内に広告配信を行う「iAd」
- 開発者向けに1,500以上のAPIを追加
- 今年夏に公開
ユーザー待望のマルチタスク対応
今回発表された中で、最も注目すべきは「マルチタスク」への対応です。
現在のOSでは、アプリを切換える度に終了する必要がありますが、「マルチタスク」によって複数のアプリを同時に起動し、スイッチして使用することが可能になります。
アプリの切替えはホームボタンを使用し、ダブルクリックすると起動中のアプリのリストを表示。その中らから利用するアプリを選択する方式が採用されます。
マルチタスクの実装には、バックグラウンド処理の増加によるレスポンスの低下、またそれらプロセスによるバッテリーへの負担などが問題となります。
これに対しアップルは、起動中のアプリをバックグラウンドに切換える際、その状態を保存して待機させ、プロセスを停止することで対応するようです。
一方で、待機状態のアプリには以下の7のサービスが解放されるため、一定レベルの動作を継続させることが可能になります。
例えば、「Background audio」ではアプリを切換え後も音楽のストリーミングを継続。また「Voice over IP」ではSkypeの通話をバックグラウンドで可能にします。
開発者はアップルとのNDA(秘密保持契約)で、iPhone OS 4.0のベータ版を公開を制限されていますが、海外のサイトでは既にマルチタスクの動作を収めた動画が紹介されています。
フォルダーで最大2,160個のアプリを管理
アプリを日々インストールし、アイコンの管理が困難になっていた人にとって朗報となるのが、フォルダー機能の追加です。
現在のOSでは、インストールしたアプリのアイコンは最大で180個(16個X11ページ+4個)まで表示が可能ですが、それを超えたものは表示されません。
新しい機能「Folders」では、文字どおりアイコンをフォルダーにまとめて管理し、表示できるアイコンの数が最大2,160個までと拡大します。
フォルダーの作成はアイコンのドラッグ&ドロップで可能。
電子書籍アプリ「iBooks」に対応
iPad用にリリースされた電子書籍アプリ「iBooks」がiPhone・iPod touchにも追加されます。
iBookstoreのプレビューを読んだり、iPadとのブックマーク同期をワイヤレス行うことが可能になるようです。
おそらくアマゾンのKindleのように、iPadで読んでいた本の続きをiPhoneで読む、という使い方ができるのではないでしょうか。
アップルがアプリに広告を配信する「iAd」
イベントの中で最も長い時間を割いたと思われるのが、アプリ内に広告を配信する「iAd」というサービス。
「iAd」の要点をまとめると、次のようになります。
- iPhone OSに組み込まれる広告配信のサービス
- 動画やミニゲームなど、リッチでインタラクティブな広告
- アプリを終了せずに広告を表示
- アップルが広告を配信
- 収益は、40%をアップル、60%を開発者が受け取る
iPhoneに限定されるとはいえ、アップルが広告業に本格的参入することを意味し、またひとつ同社によって衝撃を与えられる業界が増えることになります。
「iPhone OS 4.0」のリリースは、次期iPhone(仮称iPhone HD)の発売に合わせて行われ、iPhoneには無料、iPod touchには有料で提供されることが予想されます。

